BPMSは業務システム開発ツールではない。結果だけを見ると似ているので誤解される。

システム開発の一部としてBPMSが使われている事例から業務システムの開発ツールだと思っているIT技術者が多いと思われます。
そして、そのような使い方をしている企業も多くIT技術者からは「何のためにBPMNが必要なのかわからない。」という声を聞きます。
「何か機能を追加するために単にサービスタスクを追加して、その中にプログラミングをしているだけで・・・」この手の話を聞いたのは1人、2人ではないです。逆に「すべてサービスタスクにして自動化しました。」という技術者もいて、そうなっていることに何も疑問はないのかなと思います。

そもそもBPMの対象は「人が関わる全ての業務」であること、それは従来の業務システムが担ってこなかった領域も対象にしています。
そこを抜かしてBPMSを使っているのであれば、IT技術者の疑問は至極当然だと思います。
BPMNはBPMSを動かすための単なる記号であり、人が行っている業務を詳細に記述しているBPMN図はまったく意味がないことになります。

「人が関わる業務」の中には、ITシステムを利用して登録、記録、出力などという従来のシステムで行うことも含まれます。
BPMSはそこを従来のITシステムと連携して処理することができます。しかし、そこだけを対象にしてしまうと従来の連携層を用いた業務システムとの違いはないですしBPMSを使う意味もないでしょう。

BPMSが主に担うのは「人が何かを見て判断し決定や指示を他者に伝える」「人がミスをしないように業務を標準化させる」「人が行った業務の結果を定量的に分析する」といった機能です。この部分は「システム開発における製造」ではないのでIT技術者にとってはあまり興味のない分野なのかもしれません。
しかし、従来の業務システムを導入しているITコンサルや技術者は、顧客から「BPMSが主に担う部分の機能」を要求をされると思います。なぜなら顧客はITに業務改善を期待するからです。でも「そこは運用で・・」と返答し対象としてこなかったと思います。

業務改善の中には「自動化」も含まれます。しかしBPM(BPMN,BPMS)を自動化だけを対象にするのであれば、BPMNは必要ないですし従来の業務システムとの違いもわからなくなるということです。
ここを理解するには、BPMコンソーシアムが行っているセミナーの「BPM入門:基礎知識+実例セミナー」にご参加ください。